目次

自社施設への次亜塩素酸水を消毒液として導入するにあたって考えてみた

意外と知らない次亜塩素酸水の種類とか、効果とか、もろもろの話

次亜塩素酸水の使い方による安全性と有効性について

事務所設備として使えそうな弱酸性次亜塩素酸生成器について

まとめ




自社施設への次亜塩素酸水を消毒液として導入するにあたって考えてみた

私個人は現在会社経営者であり、今回の新型コロナウイルスによっていろいろと苦労が絶えない状況であります。

また施設を扱っているため、半永久的に消毒液が必要であろうことから、コスト面から考えても次亜塩素酸水の導入を考えている状況です。

また、元研究者の観点から、やはりバックデータがあることが前提となるので、そういった根拠があるかも含めていろいろと調査している次第です。

経営としては、当然効果だけでなく、後々のことを考えて安全性も重要視します。

 

で、アルコールと違って生成器さえあれば自社製造も可能であろうとおもい、次亜塩素酸水生成きについて調べているところです。

新型コロナ騒動の中、アルコールが全く手に入らない状況になった際に、次亜塩素酸水についての効果がうたわれ始めました。

でも、類似商品が多いのも確かだし、新型コロナに対して有効であるかどうかの試験が行われているかといわれると、それもなかなかむつかしい。

新型コロナウイルス扱えるのは限られてますからね。

ノロウイルスやインフルエンザウイルスについてのデータはすでに有効とされてます。

原理からしたら、ノロウイルスやインフルエンザウイルスに効果が有るんだから、当然あるだろうな、というんは予想に難くありません。

6月16日以降、ぽつぽつと研究機関からの有効性が上がってきてますので、正式に承認されるのも時間の問題かと思ってます。

で、今回弊社も消毒液として導入する上で、おかしなことはできないのもありますし、

素性のわからない類似商品に手を出すのも何なんので、ちょっと調べてみました。

で、一番頑張っている情報源としては、ここ。

 

次亜塩素酸水復旧委員会

 

ただし、情報を得る上で注意しないといけないのは、

こちらは推奨しようとするグループであり、当然ながら、

次亜塩素酸水は安全かつ有効である、

というバイアスがかかっているのも確かです。

 

とはいっても、否定するグループも特にいないんですが。

5月末ごろにNITEが否定的な会見を行いましたが、あれは完全におかしかったですね。

有害という結果もないのに、さも使ってはいけないような、

しかも、使用方法が噴霧についての安全性を、手洗い消毒と混同するような表現。

あれはいかんですね。

なんらかの力が働いた、と思うしかありませんw

 

あえてお金の流れから考えるとするならば、対抗馬の「アルコール除菌グループ」でしょうか?

コストから言ったら、消毒液シェアを次亜塩素酸水にとってかわられてもおかしくないので。

そんな対立構造が思いつくところでもあります。

意外と知らない次亜塩素酸水の種類とか、効果とか、もろもろの話

で、ものすごい基本的な話として、

同じ消毒目的でも、

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは全く違うもの

になります。

次亜塩素酸ナトリウムとは、すなわち漂白剤、商品名でいったら「ハイター」に代表されるものです。

ハイターと聞けば、人体に触れたら厄介だなって思うでしょう?

名前も近いし、成分なんてよくわからないし、殺菌力もあるからといって、

かなり気を付ける必要がありますね。

これはよく知られている違いかと思います。

 

で、今回、次亜塩素酸水の生成器を探しているわけですが、

amazonなどネットショップでよく売ってる次亜塩素酸生成器は、

ほぼ、この次亜塩素酸ナトリウム生成器です。

ひどいのが、機器の名前として「次亜塩素酸水生成器」としているところ。

で、中身を見たら、次亜塩素ナトリウム生成器、と。

これ、法律とか大丈夫なんでしょうか。。

 

で、次に、次亜塩素酸水についてもそのpHによって種類が分かれています。

強酸性次亜塩素酸水 弱酸性次亜塩素酸水 微酸性次亜塩素酸水

単に清掃で使うのであれば、強酸性でOKですが、塩素臭もすごいですし、刺激も多いと。

手洗い消毒として使うには「微酸性次亜塩素酸水」をつかわないといけまえん。

こちらは人体に近い酸性度合いです。

なので、アルコールより手荒れなどが起こりにくいとされてますし、

私の周りも実際にそういう人も多いみたいです。

自分はどっちでもいいんですけど。

 

で、次に微酸性次亜塩素酸水に注目してみると、これまたややこしいのですが、作り方がいくつもある。

そもそも経産省で「次亜塩素酸水」として定義されているものは、

塩酸、もしくは塩酸と塩化ナトリウム(塩)水溶液を無膜性の電極で電気分解したもの

となっています。

強酸性、弱酸性の次亜塩素酸水も、電気分解を前提としています。

これが正式な次亜塩素酸水です。

他の製法によるものは「商品名としての次亜塩素酸水」です

で、問題はこれ以外の作り方のもがどういうものかというと、

基本的に次亜塩素酸ナトリウム(危険なやつです)を、二酸化炭素やクエン酸などの化学物質で中和な

どして、pHを5.0~6.5に合わせ込む、という方法。

一般的に液体として市販されているのは、こちらの

「次亜塩素酸を主成分とする酸性の溶液」

です。

こちらの製法のものが売りやすいっていうのは、その塩素濃度が自由になるためです。

電気分解を用いるものだと、塩素濃度が30ppmがほとんど。

NITEのテストでも、塩素濃度が35ppm以上での効果が認めらえているので、

ユーザーとしては保存劣化も考えると100ppmとかほしくなります。

正式な電気分解のものだと、なかなか見当たらないのも事実です。

 

それに対して、次亜塩素酸ナトリウム+添加物の方法だと、1000ppmでも作れます。

そうなると、使う前に薄めて使えばいい=コスト削減、となります。

使用時に50ppmでよいとされていれば、

販売側としては、容器と輸送代が10分の1以下になるわけですから。

じゃぁ、こっちでいいじゃん、となりますが、安全性は正式にはまだ確認されていない、

というのがあります。

 

また、こちらの

次亜塩素酸ナトリウムから生成する場合、医薬品ではないので、薬事法の関係で人体への効果をうたってはいけない

ことになっています。

なので、手消毒に使えます、と言っていい商品は電気分解の次亜塩素酸水に限る、ということです。

ここ、導入する場合には大変重要なところかと思います。

次亜塩素酸水の使い方による安全性と有効性について

話が戻っちゃうみたいですが、次亜塩素酸水はそもそも新型コロナウイルスに効果があるのか?

という話があります。

ここからは、次亜塩素酸水生成器を販売している企業から聞いた話です。

私の質問「生成器自体は30ppmをうたうものが多いのに、人体に対して安全な塩素濃度は80ppmまでとか、

今回のテストでも35ppm以上で効果あり、としてます。

どこで作ったものを言っているのか。特に80ppmなどは、電気分解ではどのメーカーも使ってないような」

回答「今、NITEでテストしているのは、製法は特に問わないです。

2液混合で作ったものなどで塩素濃度を振って、新型コロナウイルスに効果があるかどうかだけを

確認しています。

なので、化学的安定性の検証とか安全性については、考えられていません。

製法にる違いも、塩素濃度とpHが同じであれば、効果も同じであろう、とみています。」

とのことでした。

なるほど。

そうすると、とりあえず効果検証は今回の発表で、製法に限らずできた、ということになるわけですね。

経産省の次亜塩素酸水についての、6/26にちの発表資料です。

https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-5.pdf

確かに、しょっぱなに

安全性の検証はしてません!

と記述されています。

以前より混合生成のものは、

次亜塩素酸ナトリウムに添加物を入れるという化学変化により作成されているため、

その成分変化の懸念と、それによる安全性は確認する必要がある、

とありました。そちらはまだ未検証ということです。

 

手消毒レベルでは肌荒れがあるかどうかなど、すぐにわかりそうですし、

かりにそうなったとして次回使うのやめよう、となりますが

噴霧器などで吸気した場合はちょっと怖いです。

今現在、次亜塩素酸水を噴霧しているのはこちらの混合生成のものになるはずなので、

こちらでの噴霧はほんとにやめたほうがいいように思います。

 

一部研究機関で安全性を確認したと出ていますが、

安全性検証が次亜塩素酸水が電気分解によるものなのか、混合生成によるものなのかはわかりません

資料を読んでませんので。

(そもそも、うちでは噴霧は考えていないので)

混合生成の噴霧については、慎重になったほうが良いかな、正直おもってます。

なので、

その効果と安全性の両方をクリアしているものは、

塩酸をつかって電気分解してつくった正式な塩素濃度50ppmの次亜塩素酸水のみ!

ということになります。

むつかしいですね。

一部情報では、そういった混合作成の次亜塩素酸水についてのテストが行われているようでして、

6月末に何らかの結果が出る、というのもありました。

もしかして、今回の効果検証のことかな?

だとしたら、安全性は未検証になります。

安全性の試験さえクリアできれば、コストからしても2液性も大ブレイク間違いなしです。

今でもすでにブレイク気味ですが。

 

施設として考えるなら、何か事が起こってからではまずいので、今のところ

混合生成の次亜塩素酸水は使いにくい、というのが正直なところですが、

経費として考えた場合はかなり魅力的です。

ということで、個人的にも下記の疑問はあるので、先の次亜塩素酸水普及委員会に問い合わせてます。

1.混合生成の次亜塩素酸水の安全性

化学反応で作成された次亜塩素酸水にもいろいろな種類があることによる成分の違い、

また科学的安定性と安全性はどう考えられているか。

2.塩素濃度の希釈と効果

混合生成されている塩素濃度が高いものを水で希釈して使った場合、

pHも水を混ぜて使えばそれだけ水に近づいてしまうが、そうなった場合殺菌力として有効性が保たれるのか。

例えば、塩素濃度1000ppm pH6.0の製品を10倍で薄めた場合、100ppmとpH6.9となった場合(水pH7.0)、弱酸性次亜塩素酸水のpH5.0~6.5から外れてしまいます。

※水で希釈した場合に分量割合でpHが変わるのかは不明ですが、単純計算として。

経産省の資料にもありますが、希釈の方法なども本来明記すべきところですが、

そういった話が商品についてないのも現実です。

上記については、回答が得られ次第またお伝えできればと思います。

 

おそらく、こういったことを今テストしているものと思いますし、認定される製法や、添加物、希釈してよい割合なども明確になることを期待しています。

事務所設備として使えそうな弱酸性次亜塩素酸生成器について

で、弊社としては半永久的に必要となるであろう消毒液について、

毎回買うのはちょっと大変、とおもってます。

最悪、混合生成の次亜塩素酸水が承認されなければ、そもそも入手困難になってしまいますし。

だからと言って、10倍もするアルコール消毒液を買い続けるのははっきり言ってつらい。

ということで、自社施設内で微酸性次亜塩素酸水が作れればベスト、とも思ってます。

で、事務所に設置が可能な家庭用の次亜塩素酸水生成器をいろいろ調べてみました。

条件として、

弱酸性であり、有効塩素濃度が50ppm以上

のものとします。

そうなると、、正直むつかしいのが現状でした。

実際メーカーさんにも問い合わせが多くはいっているようで、その中の要望としてもっともおおいのが、

塩素濃度を50~100ppmにできないか、

というものらしいです。

どうして50ppm以上求めるかというと、

ある試験結果で30ppmでは殺菌能力がいまいちで、50ppmで行ったところ効果が有った、

という報告がもとになっているかと思います。

次に、劣化速度がはやいということ。

紫外線に弱く、スプレーボトルに入れておくと塩素濃度がガンガン減っていきます。

スタートが50ppmだと、すぐに30ppmすらも切って使い物にならなくなる、というもの。

アルミボトルくらいの完全遮光がされてれば数カ月レベルで持ちます。

あとは、イメージですかね。

混合生成のものが基本的に濃度が高く(200~1000ppm)、そのイメージで濃度が高くないと効果がないのでは?

というのもあるかと。

あとは、手洗いに使用可能な次亜塩素酸水として、10~80ppmとあるので、

その80ppmも引っ掛かっているのではと。

この80ppmはどっから持ってきたのか、、ちょっと疑問なんですが。

安全性確認をおこなっている電気分解作成はせいぜい50ppm濃度となってます(メーカー談)。

確かにいろいろな製品にてカタログスペックとしてうたわれているのが、

10~30ppmとなっているものが多く、

50ppm(以上)欲しいと思った場合は、足りないな、というのが現状です。

つまり!

弱酸性次亜塩素酸水で、塩素濃度50ppm以上を、電気分解からつくれる、家庭用装置は、

今のところ見当たらない!

というのが結論です。

なので、なんとしても混合生成の安全性と効果が知りたいところです。

早く結果発表してください。

まとめ

次亜塩素酸水の基本的な情報は、

「次亜塩素酸水溶液普及促進会議」

なるものがあるので、そちらを見てもらうとわかりやす。

 

弱酸性次亜塩素酸水の新型コロナウイルスへの有効性は各研究機関より確認されはじめており、

NITEでも効果を発表した。

 

もっとも基本的なことであるが、

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは別物であり、を間違えると大変なことにいなる。

 

正式な次亜塩素酸水にも、強酸性、弱酸性、微酸性次亜塩素酸水とあり、

手洗い消毒でつかえるものは微酸性次亜塩素酸水、となる。

弱酸性次亜塩素酸水でもまた細かく種類があり、

安全性、効果の両方が検証ができているものは、

「塩酸水、もしくは、塩化ナトリウム水溶液に塩酸を加えたものを電気分解して得られる」

ものに限定されている

 

こちらの正式な次亜塩素酸水は有効塩素濃度は50ppmまで、10~30ppmのものがほとんどである。

 

これとは別に、次亜塩素酸ナトリウムに添加物を加えてpHを調整しているものがある。

こちらは化学反応を用いるため、化学的安定性が不明なのと、

添加物の影響による安全性の検証はできていない

「商品名 次亜塩素酸水」というだけのものである。

 

また、市販されている有効塩素濃度100ppm以上の次亜塩素酸水は

私の知る限りではすべてこちらの製法によるものである。

 

6/26発表の資料でも、新型コロナウイルスへの効果は検証されたが、

安全性につては未確認となっている。

 

微酸性次亜塩素酸水生成器を購入して施設に導入することを考え、調査した結果

その多くは強酸性次亜塩素酸水の生成器であった。

こちらは清掃時に物を拭く際につかうなどで、人体には使わない。

微酸性次亜塩素酸水生成器は、その塩素濃度が30ppmまでのものがほとんどで、

メーカー側にも高濃度のものが作れないかの問い合わせが多くある。

設備の様な大型、高価なものであればできそうに思うが、範囲外で調べていない。

 

ネットショップなどに出回っている安価な次亜塩素酸水生成器は、

ほとんどが次亜塩素酸ナトリウム生成器なので注意が必要。

 

一部、家庭用でも微酸性次亜塩素水が作成できるものもあるが、

電気分解する液体は付属のもの(結局「塩酸」がなければできない)でなければならなく、

生産性、コストともいまいち。

数十万ほどするような生成器でも、50ppm以上の塩酸濃度ができるものは、

次亜塩素酸ナトリウムと添加物の混合生成するものである。

よって、今のところ、

事務設備として導入可能な微酸性次亜塩素酸水生成器は見当たらない!

なので、混合生成の次亜塩素酸水の安全性に期待!

となってしまった。