コミュニケーションでむつかしいのは、

その基準が、人それぞれ違うというもの。

 

円、cm、gといった単位のように、誰もが同じ基準、指標を持つことが、

理系のコミュニケーションでは基本です。

全世界でも統一されています。国際的な標準があるわけで。

 

「エアロゾルもしくはエアロゾル感染」の医療系と化学系での定義を調べてみると

まず、医療系で言うところのエアロゾル(感染)というのを調べると、

東京大学 保険健康推進本部 保険センター

http://www.hc.u-tokyo.ac.jp/covid-19/infection_route/

の記述を見ると、

1)空気感染

飛沫核感染;感染者から排泄された飛沫核を直接吸い込むことで感染します。飛沫核は飛沫から水分が蒸発することでも形成されます。
塵埃(じんあい)感染:病原体に汚染された土壌や床から舞い上がった埃(ほこり)を吸い込むことで感染します。

2)飛沫感染

咳などで出た飛沫を吸い込んだり、飛沫が鼻や目などの粘膜に付着することで感染します。

中略

「エアロゾル感染」という言葉は文脈により飛沫感染のことしか指していない場合や飛沫核感染のことを指しているもあり、解釈には注意が必要です。

まずは、感染の種類に「エアロゾル感染」という言葉がないようです。

 

これだけ言葉は出回っているのに、その定義がないと。

ちょっと衝撃じゃないですか?

 

こういう定義のあいまいな造語?、新語?がいろいろ勝手な解釈を広げる原因となります。

いったい誰が作ったんだ!

マスコミ、もしくは、マスコミにコメントする人たち、ですね。

 

で、エアロゾル=飛沫核になるわけですが、分類の中身を見ると、それも空気感染に分類されています。

だったら、エアロゾル感染=空気感染、でいいんじゃないの?って思ってしまいます。

それができない理由があるとしたら、

注釈にあるように、解釈によって変わってくるといあいまいな状態、だからなのでしょうか?

微少な飛沫でも飛沫であって、飛沫感染にも属してしまうから?

どうして素直に飛沫感染、空気感染をする、といってはいけないのでしょうか?

これはやっぱり最大の疑問です。

 

化学系のエアロゾルという定義を見てみると

日本エアロゾル学会、なるものがありますので、その一文を抜粋すると、

気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体をエアロゾル(aerosol)と言います。

中略

例えば粒径についていえば,分子やイオンとほぼ等しい0.001μm=1nm程度から花粉のような100μm程度まで約5桁にわたる広い範囲が対象となり,また個数濃度についても,清浄空気の10個/cm^3程度から発生源近傍の10の6乗~10の10乗個/cm^3程度まで 7~8 桁にもわたり,さらに最近の超クリーンルームにおいては10の-5乗個/cm^3程度まで要求されるようになっています。

後略

https://www.jaast.jp/new/about_aerosol.html

と、まぁその範囲は広く、となっています。

とりあえずは、エアロゾル学会としては、空気と混合された~0.1mmの粒子、ということでしょうか。

 

他にも、

分散媒が気体の分散系、つまり、気体の中に微粒子が多数浮かんだ物質である。気中分散粒子系、煙霧体ともいう。エアロゾル中の微粒子(あるいはエアロゾルの別名)を煙霧質(えんむしつ)または気膠質という。なお俗に、微粒子のことをエアロゾルと呼ぶことがあるが間違いである。

ゾルとは分散媒が液体のコロイドのことであり、エアロゾルはそれにエアロ(空気)を付けた言葉である。ただし、分散媒は空気に限らずさまざまな気体があり、たとえばスプレーによるエアロゾルの分散媒はプロパンなどである。また、コロイド(粒子が約100nm以下)に限らず、より大きい粒子のものもある。

微粒子のサイズは、10nm程度から1mm程度までさまざまである。ある程度大きなもの(定義はさまざまだが、1µm~、0.2~10µm など)を塵埃(じんあい)という。

要するに、

~100um(0.1mm)の空気中に漂う微粒子全般

と思えばよいかと。

ということで、この医療と化学の定義を合わせると。

つまりは、定義の主な部分は、「微粒子の大きさ」ということになり、

医療家としいては、100umが存在する飛沫と、10um以下になりうる「飛沫核」を

表現したいがための「エアロゾル」

ということでしょうか。

 

あくまで、あえてエアロゾル感染、という言葉に意味を付けるとしたら、です。

本来は、使いたくない言葉とおもいます。