一般の会社で仕事するとしたら、そんな造語は社内の便宜上の言葉にとどめるのが常識でしょう。
社内で扱うにしても、「こういう意味だからね」というのは確実に明確にします。
外部と打ち合わせするのに、一般に定義されていない用語を持ち出すと、確実にトラブルの原因となります。
一般的な用語でないとしたら、うちの会社に基準はこれだから、という規格を確実に出します。
一般的な定義がJIS規格などで固まっているものでさえも、社内基準を明確します。
部外者と誤解なくやりとするということは、そこまでする必要があるわけなんですが、、、
人の命に係わることであるのに、言葉の定義すら定まっていないものが情報として流される。
メディアは、怖い。。
粒子のサイズをもっとわかりやすく考えてみたい
より、定義を明確に、というか具体的に、共通語にするために、
この微粒子の大きさについて考てみると。
身近なものを交えつつ。
粒子のサイズをもっとわかりやすく考えてみたい
100um = 0.1mm くしゃみや咳で飛んでく飛沫!
これは咳やくしゃみで飛ぶ飛沫に多分に含まれるサイズです。
1~2mのソーシャルディディスタンスっていうのは、これらが飛ぶ距離を想定して、です。
粒が大きいので、比較的重力でもって落下しやすいサイズです。
逆に言えば、せきゃくしゃみをしなければ、この飛んでく飛沫は出ないわけで、
ソーシャルディスタンスもいらないって話になります。
余り近づくと、タッチできるからあかん、ってのはあるかもしれませんが。
日本人は、そういった職業でもなければ、見知らぬ他人には簡単には触りませんから
ソーシャルディスタンスはゲホゲホしたり話をしない相手には、あまり意味がないって話しです。
50um = 0.05mm 細い髪の毛の太さ
欧米人のほっそいさらっさらな髪の毛のサイズがこの辺りの様です。
日本人は比較的太目で、平均で80um、太い方で150umらしいです。
日本人でも、ほっそい髪の毛だねーってのが、このあたりでしょうか。
10um = 0.01mm 人の細胞、もう眼には見えないサイズ
人の細胞がこの近辺らしいです。
ここまでくると、ひとつひとつを目視するのは不可能なレベルになります。
細胞の境目はわかりませんよね。
人の目、網膜で判別できるサイズ、いわゆる分解能は40umとされてます。
私も大学のころ、数umの微粒子を扱っていたこともありますが、
そのレベルになると、粒粒は見えずに、白い塊、に見えてしまいますね。
で、このサイズになると、一度空気中に舞ってしまうとなかなか落ちてきません。
こういったサイズの粒子にウイルスが付着し、空中を漂っている密室などで感染すると、
「エアロゾル感染した」という表現になるんでしょう。
1um = 0.001mm まな板についても目に見えない
細菌がこのサイズになるようです。
もう完全に目視できません。
集合体になったとしても、光を透過しますよね。きっと。
まな板の細菌は見えないのと同じですね。
PM2.5というのは、2.5umの微粒子になりますので、この範囲に近くなります。
なので、もちろん目には見えませんし、フィルターも特殊なものでないとストップできないレベルになります。
0.1um = 0.0001mm これがウイルスのサイズだ!
もう数字で表しても実感の持てないレベルではないでしょうか。
これが、問題のウィルスのサイズ感になります。
PM2.5が捕獲できるフィルターでも間に合わないレベルになります。
なので、マスクもN95規格となるわけですが、
いくら高性能なマスクを使おうが、はっきり言って、
どこかにちょっとした隙間があれば、それでアウトです。
フィルターレベルの隙間を、マスクと皮膚の間に求めるのは、理論上不可能。
なので、マスクは「飛沫の飛散をある程度抑える」効果になると思います。
咳、くしゃみはもちろん、しゃべった時にも出ますので、そういったものを遮断すると。
もちろん、飛散の抑制にしても、マスクが皮膚から離れれば、
そこから微細な飛沫、まさにエアロゾルとして外に出ます。
感染抑制の効果としては、70~80%上、と、何かの試算で出てたように記憶しています。
飛散防止効果は、大いにあると思っていいのでは、と。
0.01um = 0.00001mm = 10nm 「臭い」のサイズって?
マスクをしてもにおいがする!
って思いますよね。
においの種類によっていろいろなサイズが存在しますが、においの粒子は非常に細かいです。
nm ナノメーター というuのさらに下の単位になってきます。
基本的には、ほどんどのにおいがマスクのフィルターレベルなら通過するでしょう。
あまり考えたことはないかもしれませんが、臭いにも大きさはあるんです!
0.0004um = 4nm 水の分子です
要するに、「ナノ」という単位です。最近は何かの商品にも、「ナノ」って聞きますよね。
4nmというのが、水分子(H2O)の大きさです。
水蒸気、というのは、この水分子が液体の水のように塊になってなくって、
独立して空気中に漂った状態になります。
もうわかりませんよね。
で、その水蒸気を冷やして、分子同士が無数に集まって目視できるほどのサイズになったのが
液体の水になります。
1Lの水にはもう数えられないほどの水分子が、ということです。
エアロゾルといわれる10umの飛沫、というと、ものすごく小さいものという印象がありますが、
直径だけ考えても、10000nm÷4nm=2500個の水分子のサイズ感になります。
球体で行ったら、それはもうものすごい数、です。
かつ、そのなか100umサイズのウィルスが点在している、ということになります。
これが、大体のサイズ感ですが、実感いただけたでしょうか。
やっぱりできませんかね。。
要するに、「エアロゾル感染」(という言葉があるとしたら)と「空気感染」というのは、
粒子の大きさであって、どちらにしても空気中に漂っているウイルスから感染するもんだよ
ということになります。
まとめ!
言葉の定義としては、エアロゾル感染、というのはありません。
飛沫感染、空気感染、という分類です。
化学系の定義としてのエアロゾルとは、0.2~100umの空気中に漂う粒子全般、です。
エアロゾル感染という言葉をつくった理由としては、飛沫の中でも、10um程度の微少なものが
空気中を漂うことで感染するリスクがある、というのを表現するためと、推測、します。
「新型コロナウイルスは空気感染する」と公言しない理由は、不明です。
次の回は、その空気感染がいったいどういう状況で起凝りえるのかを調べたいと思います。