総合病院の医者は、何もアドバイスはくれない。

自分たちに責任が来ないようにするのが、最善策、と思っているのだろう。

リスクだけはしっかり説明して、ただそれだけ。

この場合、こういう方法が適切だ、といったアドバイスは、まったくない。

肺がんと動脈瘤の治療、どちらを優先するかは患者である本人の丸投げだ。

で、結局親父が下した結論は、肺がんの摘出手術。

結果的には、こちらで正解、ということになるが、はっきり言って、この状態は専門であれば容易に想像できそうであるし、

それに基づいたアドバイスがあってもいいだろ、って正直思った。

このころから、すくなくとも、この病院の医者のいうことは、まぁ、参考程度にしかならないんだろうな、という風にしか思わなかった。

というか、そもそも、人に頼って治そうっていう気持ち自体があかんのではないかと。

といっても、それは自分ではなくって、おやじの話だから、自分がそうおもってもしゃーないっていうのがものすごくもどかしいわけだけど。

で、1月末に正確な肺がんの診断が下され、そこから一週間そこそこでどう治療するかを決め、

これから手術に向けた検査がいろいろ始まる。

これからだ。また検査だ。。いやんなる。

とにかく、ロスタイムが多すぎる。

こんなものなのかね。

冷静に考えて、ひと月で2cmから4cmに拡大した病気だ。

もう一つ気したら、6cm、いや、加速度的に増殖するとするとなれば、もっと大きくなっている可能性が大だ。

2cmの時点で、肺がんのステージとしては、1か2くらい。

4cmの時点でステージ3以上であることは確実。

それが、6cm以上になれば、転移も考えて、ステージ4であることは間違いないと思う。

だから、年寄りだからといって進行が遅い、というのは、まったくのでたらめだ。

色々調べてわかったのだが、その進行速度は年齢というものではなく、そのがんの種類によるところが大きいとのことだった。

もっと早くそれを認識していれば、肺がんの治療を優先するのは明確だし、県sでうだうだと時間をかけているが、色々と交渉もしたかもしれない。

といっても、もう過ぎたことだ。

よくあるステージいくつでの5年生存率が何%というのがあるが、あれはいったいどの時点が起点となっているのか。

もし、一番初めの発見時、ということであれば、ステージ1か2ということになる。

が、最終検査の時点でのステージだったとしたら、これはもう、かなりのダメージだとしか言いようがない。

かりに発見時だとしても、進行が速すぎる。

色々ネットとかで調べてみても、これはちょっと早すぎる。

だったら、発生したのが一体いつだったのか。

心臓の検査は半年に一回、といってたから、これがもう少しあとだったら、発見された時点でステージ4だということもあったとおもう。

たったの、1月そこそこのはなしで。

運がいい、といえば、運がいい。

検査も終わり、まずは、施術をしても大丈夫、という判断がでた。

もともと心臓をやっているため、その判定はかなり慎重であったのだが、よく調べてみると心臓自体はかなり調子がいいらしい。

通常、ある程度年齢が行ってから(確か、発作が起こったのが63歳くらいだと思う)患って、元に戻るところまで行くのは珍しいとのこと。

正直、医者が驚いていたくらいだ。

そういったポジティブな情報は、よーく言い聞かせておきたい、とおもうし、

そいうい意味では、実際強い体なのかもしれない。

手術は2月24日に決まった。

そして、いよいよ、手術のための準備入院となる。

心筋梗塞をやっていた関係で、血液をサラサラにする薬を常備使っている関係で、

その薬の効力を弱めないと手術の傷がふさがらない(血が固まらない)ということで、手術の1週間前から入院が必要、とのことだった。

いろいろなお見舞いが届いていた。

うちの親父は車関係の会社でサラリーマンをしていて、定年後も、サラリーマン時代に関係していた会社のお手伝いってことで、

週3日の出勤をしていた。

そのほかは、暇さえあれば、カラオケ喫茶。

カラオケのある喫茶店。

若い人にはなじみがないかもしれないが、おやじ世代にはいい暇つぶしになる。

歌を歌わなくても、コーヒーを飲んでいるだけでもいいし、勝手に他の人が歌っていたりする。

とてもBGMなんて呼べるものではないけど。

で、まぁ来ている世代が世代なので、みんなそれなりになにがしかの疾患がる。

中には、やはりがんを患っているものの、進行がおそくって、いわゆる共存状態になっている人もいる。

がん治療で有名な医者の一人に、東京銀座クリニックの福田一典先生、といいうのがいる。

書籍などいろいろ出しており、それなりに支持層もいると思うのだけど。

勘違いしてもらいたくないのは、有名、とは言っているが、治せる、私は推薦する、のとはまた別の話だ。

で、その先生曰く、

がんにはいくつか種類があるって、

ある種類のがんは、放置しても共存ができるもの、

ある種類のがんは、適切な治療で回復する、

ある種類のがんは、何をやってもどうもがいてもやはり止められない。

最悪のがんは、適切な方法を取り、とにかく、苦しまず延命することに努めたい、といいうような内容だと記憶している。

実際に、共存している人を知っているし、これといって大した治療もしてないのに治った人もしっている。

が、やはり、そいういう人の場合、おやじのようにあっという間に広がっているわけでもないし

ましてや、明らかに喫煙が原因でしょう、というようながんでもないのは明確で。

肺がんは全体的に治りが悪いし、悪性度が高い、というのは、簡単に目に入る。

残念で仕方がないが。

そうはいっても、やれることはやらないといけないし、その処置は早いにこしたことはないだろう。

施術については、行われるのを待つしかないが、その間にできることがないか、考えるのも、また家族のサポートでもある。

そうなると、二人の兄はまったく人に丸投げしてくる。

自分もそれは役目として理解しているし、とにかく、やるしかない。

近くに住んでいる兄二人には、実際に病院にいったりしてもらってのケアをお願いするわけで。

これから、一週間という三時間時間ではあるけど、とにかく、いろいろと不利な状況ではあるけど、

仕事を一部ほっといても、やるしかない。

とにかく、やるしかない。