日経新聞ネタです。
毎日の日課、日経新聞よみから気になったニュースを抜粋して。
日経新聞の場合、医療の現状を伝える、というよりは、宣伝も苦的な部分も多分にありますので、そういった話も、患者の身内であり、一経営者、という視点からも見てみたいと思います。
今回の話は、がんのウィルス治療、についての記事を見かけましたので、取り上げてみました。
がん細胞を薬ではなく、ウィルスで退治しよう、という新手法が研究されている、ということです。
「抗がん剤をがんへ運ぶのではなく、人体に害のない物質を抗がん剤に変える酵素をがん細胞に作らせる」と力を込める。
と記事にありますが、これだけではよくわからないので、そもそもウィルスでの治療とはどういうものか、というのを見つけたので紹介します。
がんをウィルスで退治するって?
がんをウィルスで退治する、というのがどういうことかというと、
がんのウイルス療法とは、がん細胞のみで増えることができるウイルスを感染させ、ウイルスが直接がん細胞を破壊する治療法です。ウイルス療法では、遺伝子工学技術を用いてウイルスゲノムを「設計」して、がん細胞ではよく増えても正常細胞では全く増えないウイルスを人工的に造って臨床に応用します。がん細胞だけで増えるように工夫された遺伝子組換えウイルスは、がん細胞に感染するとすぐに増殖を開始し、その過程で感染したがん細胞を死滅させます。増殖したウイルスはさらに周囲に散らばって再びがん細胞に感染し、ウイルス増殖、細胞死、感染を繰り返してがん細胞を次々に破壊していきます。一方、正常細胞に感染した遺伝子組換えウイルスは増殖できないような仕組みを備えているため、正常組織は傷つきません
国立研究開発法人日本医療研究開発機構
脳腫瘍に対するウイルス療法の医師主導治験で高い治療効果を確認―日本初のがん治療ウイルス薬の製造販売承認申請へ―
https://www.amed.go.jp/news/release_20190213.html
より抜粋
とのことです。
そのウィルス自体はどういったものが効果的なのかはいろいろ試されているようです。
国立研究開発法人日本医療研究開発機構の報告では、今回用いた治療では、
1年生存率がたったの15%の癌が、92.3%(13例中、12名の生存)とものすごい効果として認められているとのこと、副作用も入院となったのが発熱の2名と、
この結果をもって、有効性を確実視した
とのことです。
抗がん剤っていうのはがんを倒すのと同時に、通常の細胞も傷つけてしまうので、その副作用が多大なわけですねよ。
オプジーボにしても、がん細胞の特徴を見極めて、選択的に癌細胞に接触すること、その効果が期待できるとされていますが、それでもやっぱり副作用が大きく、無傷ではありません。
ウィルスを投与するにしても、通常はウィルスだけ投与してもやはり無傷ではないようで副作用があるようですが、今回、そのウイルスを「間葉系幹細胞」によって運ばせることで、癌細胞に届きやすくなる、というものらしいです。
今回の癌ウィルス治療の進歩性やその将来とは?
ウィルス治療をより効果的に、安全に行うために、ということでしょうか。
この「間葉系幹細胞」はがん細胞がいろいろな細胞を取り込む際に集められる種類の一つのようです。
マウス実験ではそれなりの効果を上げているようですが、
実用化への課題は安全性の確認や量産時の幹細胞の品質の保証だ。安全性は特に重要で「がんに集まることで、かえって増殖を助ける恐れもある」
とのことです。
ひとつ気になるのは、抗がん剤も含め、いろいろな治療を行う過程で、がん細胞は常に進化しています。
抗がん剤が効かなくなるのも、完治まで効果が出ないのも、この癌細胞がより強くなってしまうからだと。
糖質がエネルギーだ、ということから、その糖質を遮断したとしても、別の経路でエネルギーを確保してしまうこともあります。
正直、とんでもない対応力です。
果たして、ウィルスに対して、「免疫」ができてしまう細胞ができないかどうか、というのも、今後わかってくるのでしょうか。
細胞単体に、免疫もなにもないのかな。
とにかく、副作用のない治療方法が増えるというのは、生きるパーセンテージが増える、ということでもあるとおもいますので、医学の進歩に期待せざるを得ません。
自分の父親が癌になったからフォーカスするようになったためなのかわかりませんが、最近は新しい治療法がいろいろ出てきているように思います。
しかも、加速度的に。
中には、安価にできるものもあったり、1回の治療で3000万円もするようなものもあったり。
製薬会社が大企業である限りは、安価なものが生まれることはなかなかむつかしいと思います。投資を回収できない、という理由です。
ただ、中にはその効果に自信があるのか、成功報酬型、なんて方式も出てきたりしています。
商売、という意味でも、いろいろな状況にあるように思います。
以降、どういった国や企業の医療発展の方針になるかわかりませんが、患者ファーストであることを、ただただ祈るばかりです。