正月も終わり、ようやく病院の始動とともに、おやじの肺がんの検査が始まった。

自分も初めてのことだから、正直、どういった検査があるのかはよくわからない。

血液検査に、造影剤をつかった検査に、MRIだとかCTだとか。

ブドウ糖に似た成分をつかったがんの位置を視覚化するような検査もあった。

のちにものすごく重要なことになるんだけど、がんっていうのは、そうとうなブドウ糖を消費するらしい。

突然げっそりやせてしまって、実はがんでした、という著名人がいたと思うんだけど、あれは、がん細胞がとんでもないカロリーを消費するので、起こるようです。

ちょっと調べればわかるんだけどね。

がんという病気を今まで医者任せというか、ちょっと他人事としてとらえてたのもあるから、

そういったちょっとした知識にもアンテナが行かなかった。

そういう意味では、おじさんががんになった時、やっぱり、自分にはどこか他人事でしかなかったんだ、

と、悲しくなった。自分自身の考えに。

といっても、自分ができることなんて、結果的にはほとんどなかったんだろうけど。

計さ自体は1月7日に行ったんだけど、またその結果というのが遅い!

2週間後だって。

どうしてそんなにかかんのよ!って。

発見から詳細な検査結果がでるまで、まるっとひと月。おそくね?

さすがに、ちょっと腹が立ったね。

本人が一番つらいと思うし、長年連れ添った母親だって、それはイラついたと思う。

兄弟がふたりもがんで亡くなっているのもあるし。

きっと、同じ光景が脳裏によぎったっとおもう。

そんなのは、絶望以外のなにものでもない。

けど、息子である自分に何ができるんだろうって、ものすごくもどかしかった。

今できるのは、ちょっと元気づけるくらい。

うちの一族は、かなりお男家系で、上に二人の兄いがいるのだけど、二人目を生む時点で結構母親の体がやばかったらしい。

そのぎりぎりの状態でうんだのが、男の子だったわけだ。

でも、二人とも、どうしても女の子が欲しかったらしい。

で、周囲の反対を押し切って、3人目である自分を生んだわけだ。

まぁ、結果は知っての通り、男。

それはそれは、落胆したんだろうなぁ、っていうのは想像に難くないわけで。

それを自分に聞かせちゃう親っていうのも、どなんだろうなぁ、って思っちゃうんだけどねw

で、今度は、孫たちがあるわけだけど。

上の兄貴には子供二人。

下の兄貴には一人。

で、全部男w

甥っ子なわけね。

一族でもって、女ゼロっていう状況がまたしても続くわけです。

で、三男坊の自分が結婚して、ようやくできた子供。

それが、なんと、女のん子だったわけですよ。

まぁ、親である自分が言うのものなんだけど、はっきりいて、美人。

子供なのに、かわいい、ではなくて、美人。ほんとにw

親ばかw

まぁ、おやじのでれでれっぷりったら、それはもう見たことがない。

もともと甥っ子の時ははだ現役で原いてたっていうのもあるけど、膝に乗せたことすらないかった親父が、だ。

何かにつけて、写真撮ったりお菓子かってきたり。

あり得ない。

もともと息子である自分たちでさえかわいがられた記憶がほとんどないのと、甥っ子であある孫たちにもその姿勢は貫かれ、

このまま子供をかわいがったことのない親父で行くのだろうかと思ったんだけど、なんだこれは、と。

ひざをすりむこうものなら、女の子の膝はきれいでないといかん!

とか、わけのわからないことを言って、自分たちを責めてくる始末。

今までのこわもての親父は、いったいどこへ。。

そんなだから、予定の空いている週末は結構実家に入り浸ってた。

なんせ、飯代は浮くし、両親が子供と遊んでくれるから、こっちは生き抜けるし、で。

まぁ、そういう経緯上、親父を元気にさせるなら、やっぱり子供の無邪気な笑顔ってことでね。

結果が出るまでの2週間は、長かった。

時間なんて、同じなんだけど、どうしてこうも気持ちによって変わるんだろうって思うくらいに。

何よりも、結果がわからないもどかしさっていうか、未知のものへの不安というか、そいういったものを払しょくするのは、やっぱり大変だなって。

もちろん、おやじが一番感じているところなんだろうけど。

そして、検査結果がでる、1月23日になった。

母親から兄弟善人集まるようにっていわれてたんだけど。

その結果を聞くことになって、ちょっと驚くような結果になってしまった。

「Nしまさん。

まず、肺癌なんですが、扁平上皮癌という、喫煙者には典型的なものです。

残念ですが、たばこの煙が、お体に合わなかったっていうことです。」

なんて説明があって。

何でもいいけど、今って、がんはそのまま患者にもろに伝えるもんなんですね。

一昔、もっと前かな、がんは告知すべきかどうか、というくらいのものだったけど、今は、そのままストレートにつたえるって。

まぁ、それだけ前向きに治療するすべがあるってことかな。

「で、もうふたつ問題が愛ります」

おいおい、肺がん以外に行った何の問題があるんだよ!って。

「間質性肺炎も患っておりまして、こちらがちょっと厄介な病気です」

はーーー。これ以上、何があるんだよ。

肺炎って、そんなに重病か?

「あとは、動脈瘤もあるようでして、肺がんの治療を先か、動脈瘤を先か、それも考えないといけません」

えーっと・・

なんだかよくわからないんだけど、要するに、かなりやばいってことかな?

動脈瘤は、破裂したら終わり、というイメージがあるんだけど、それは、はっきり言って正解だろう。

そして、間質性肺炎。

これがどう厄介なのか。

それは抗がん剤が使えない、ということらしい。

間質性肺炎というものが何なのかは、興味があったら調べてもらうとして、通常のがんの治療は、外科手術が可能なものでも、切った後に抗がん剤をうって、転移を抑える、というのが一般的らしい。

それすら知らなかったんだけど。

その治療ができないから、外科手術のみの対応になると。

ただ、抗がん剤をうっても再発することが多い中で、それができないっていうのは、やはりかなり再発、もしくは転移の可能性があると。

実際、がん細胞が認識できた時点で、すでに全身に種は回っていると思ったほうがよくって、きっても自己免疫で細かいの種をつぶせることができればいいけど、そうでない場合は、別の場所で成長してしまうと。

単純に考えて、今現在自己免疫で抑えられなかったからがんとして成長してしまったわけで、さらに弱くなった状態でそれが抑えられるかっていうのは、ちょっと難しいんじゃないかな、って。

でも、ほんとに驚くべきことは、別のところにあったりした。